苔の根は水や養分を吸わないって知ってた?

苔

コケは、正式な名称をコケ類といいます。大別すると、セン類、ツノゴケ類、タイ類に分けられます。

スギゴケ

セン類とは、茎と葉がはっきりと区別できる形状を持っており、スギゴケなどがこの種類に当てはまります。

ゼニゴケ

ツノゴケ類は、茎と葉の区別がなく、平べったい形状をしています。しかし、タイ類は、その多くがセン類と同じように茎と葉がはっきりと区別できるのですが、区別がないものもあるため、一見して見分けるのはとても困難です。ゼニゴケなどが当てはまります。

このような種類の別のほかに、日本には二千種ほどのコケがあるといわれています。実際に盆栽として使われているコケはさほど種類は多くなく、スギゴケが一般的によく使われます。スギゴケは、日本全国の山地に生息し、黒褐色で茎の高さが5〜15cmほどに伸びます。

スナゴケ

また、スナゴケもミニ盆栽でよく使われます。スナゴケは日本全国に広く生息し、日当たりの良い砂質の土の上や岩の上に生えています。茎は3〜5cmほどまで伸び、日当たりが悪いと枯れてしまうことがあります。

ハイゴケ

ハイゴケも日本全国に生息し、日当たりが良い湿った場所に生えています。茎が横にはうように伸び、10cmほどの長さになります。このように、さまざまな種類のコケを知って、気に入ったものを育ててみるとよいでしょう。

コケの最大の特徴は、多くの植物とは違って、発達した根を持っていないことです。コケの根は、水分や養分を吸い取ることができません。コケは、葉や茎に付いた朝露や雨、空中の水分を直接吸収しています。つまり、コケの葉や茎は、水分や養分を吸収しやすい構造になっているのです。そのため、排気ガスや有毒物質などが空気中に混ざりやすい都会では、コケは育ちにくいかもしれません。コケを置く環境を十分に整えてから、コケの飼育を始めるようにしましょう。