盆栽を含めた植物には酸素を作り出す作用があるため、新鮮な空気に囲まれ気分転換が容易にできます。冬場、樹を室内などに保護している時期はともかく、屋外で盆栽を手入れすることも、すがすがしい空気にじかに触れることにつながります。
また、葉の緑や花の美しい色は、人間の目にもやさしく、日々の疲れを癒やしてくれます。この効果は、パソコンなどに囲まれたオフィスに植物を飾ったり、ビル街でも環境整備のために、美しい木々や色あざやかな花を道端に植えたりすることを見てもわかります。
さらに、自然の放つ香りによって、日常生活では使うことの少ない五感が刺激され、明日への活力へとつながります。そして、なによりも樹という生き物に接することで、生きる喜びを見いだし、心を健全に保つことが出来るのです。こうした効果が、ストレス社会で疲れた現代人の心を癒やすことはいうまでもありません。
盆栽の歴史をひもとくと「盆栽」という言葉が使われるようになったのは江戸時代の末期ごろといわれていますが、その歴史は古く、平安時代の頃までさかのぼるといわれています。その当時は、ただ小さな器に草木を植えて観賞していただけのようですが、心や生活のゆとりを求めて自然を愛でるという気持ちは、現代まで受け継がれているものといえそうです。