メダカを飼育してみる

スイレン鉢でメダカを飼ってみる

メダカ

庭先や玄関先に置かれた睡蓮鉢に、メダカが泳いでいる光景を見たことがある人は多いだろう。睡蓮鉢にメダカを入れるとボウフラを食べてくれるので、両者の相性は抜群である。

屋外で飼育する場合は、前述の睡蓮鉢のほか、発泡スチロールやバット、プラ舟などが利用できる。屋外での水槽飼育は横からも光が差し込み、外気の影響を直に受けてしまううえ、冬季に凍結した水が膨張しガラスを割ってしまう可能性があるので気をつけよう。

好みの容器に土や砂利を敷き、睡蓮などの水生植物を植えたり、ホテイアオイやアマゾンフロッグピットなどの浮き草を浮かべたりすると雰囲気もよく環境も整う。

水や植物を入れ、1週間程度時間を置いて、水が澄み、ミジンコなどの微生物の発生を待ってからメダカを導入する。飼育尾数は、直径50cm程度の睡蓮鉢であれば、メダカは10尾以下に抑えておきたい。

餌となるミジンコや藻類は自然に発生するので、給餌は頻度も量も控えよう。水換えも定期的に行うのではなく、日常管理は蒸発して減った分だけを追加する足し水程度で十分である。自然発生した微生物が糞などのゴミを分解し、アンモニアなど有害物質を浄化してくれるのである。

ただし、直射日光が当たり過ぎる場所に飼育容器を置くと、夏場は水温が上がり過ぎてしまう。急激な水温の変動を避けるため、場所を変更したり、スダレで日光を遮ったり工夫しよう。

また、フィルターなどは必要ないが、水質が安定していることは大原則である。風に飛ばされて容器に落ちたゴミや枯葉、虫は水質に影響がある可能性もあるのでこまめに取り除こう。

 

大きな容器で大量にメダカを飼ってみる

プラ舟

飼育容器が大型のバットやプラ舟で、底床に何も敷かず、水草なども入れずにたくさんの数を飼育する場合は、若干管理が異なるので注意したい。

飼育を始めると1週間程度で水が緑に変色してくる。これを青水といい、メダカの調子も良くなることが確認できるだろう。この青水は植物性プランクトンが発生した水のことで、水の浄化には効果的だが、あまりに濃いとメダカが見えず観賞に不向きである。

また、夜間に溶存酸素濃度が低下するので、濃くなり過ぎないよう新しい水で割るとよい。うっすらと緑色に色付く、緑茶程度の濃さで問題ない。

この植物性プランクトンはメダカの餌にもなるが、必要に応じて給餌しよう。特に活性が上がる夏場は食欲も旺盛で、繁殖期を終えた秋は越冬期に体力をつけさせる意味でも、夏から秋は豊富に餌を与えよう。逆に水温低下に伴いメダカの活性が落ちる冬季は、餌は完全に止めてもよい。

その後、水温が上昇する春先から給餌を再開する。消化不良を避けるため、一気に大量の餌を与えるのではなく、食べるかどうか様子を見ながら徐々に増やしていった方が安全である。

定期的な水換えはあまり必要ないが、容器にゴミが溜まった時には屋内飼育と同様に水換えを行いたい。特に冬前と春先には、大掃除を行ったほうがよい結果が得られるだろう。

屋外飼育ならではの注意点として、大雨で容器の水位が上がってしまい、中の魚が流されてしまうことがある。事前に水位を下げておくか、雨が入らないように容器を覆うなどの工夫をしよう。また、鳥や昆虫などメダカを食べる動物もいるので、必要なら観賞しない時はスダレや網で覆うなどの対策を取りたい。

 

室内でメダカを飼ってみる

メダカ飼育セット

室内でニホンメダカの飼育を楽しむ場合、用意したい器具は水槽、フィルター、ライト、底砂、水草、カルキ抜き、水質調整剤などである。メダカの体調は4cm前後。したがって、入れ過ぎなければ小さな容器でも飼育することは十分に可能である。

少なくとも1.5リットル前後の水量を確保できれば、好みの容器を探して飼育してみても楽しいだろう。また、メダカは種類によって横から見るのが美しい品種と、上から見るのに適している品種がある。飼育しているメダカの種類と好みに合わせて容器を用意しよう。

通常、自然界ではメダカは捕食される危険を回避するため群れを形成している。そのため、水槽でも飼育する数が少なすぎると餌食いが悪くなったり、怯えがちになったりすることがあるで、できれば群れで飼育したい。そこで、ここではある程度の水量を確保でき、複数匹飼育できる水槽を前提に飼育方法を解説しよう。

尾数は30cm水槽では10尾、60cm水槽になると50尾ほど飼育する事が出来る。だが、それはあくまでも目安であり、状況に応じて尾数を調整する必要がある。

フィルターは無ければ飼育できないということはないが、用意したほうが水質管理は楽になる。ただし、メダカは本来流れが緩やかな環境に生息するので、強い水流が起きないものや、水流を調整できるものを選んでほしい。

おすすめはスポンジフィルターや外掛け式フィルター、水中フィルター、外部式フィルターなどである。上部式フィルターを使用する場合、水槽内に止水域をつくるなど、メダカが休める場所を作るようにレイアウトを工夫すれば問題ない。これでなければならないというものではないので、飼育者が用意しやすいものをメダカの性質にあわせて使用しよう。最近ではメダカの飼育セットなども販売されているので、これを利用するのもアリだ。

 

照明とヒーター

メダカは本来明るい環境を好む。また、メダカ育成の水槽には水草を導入する人が多いと思う。その水草の育成には光が不可欠である。そのため、観賞という観点からも照明器具は用意したい。ただし、光が当たり過ぎるとコケや植物性プランクトンの大量発生に繋がる。

水槽壁面に発生したコケや緑になった水はメダカにとって悪影響があるものではないが、鑑賞しにくくなってしまう。そのため、水槽は直射日光が当たらない場所に設置し、ライトの照射時間は1日8〜14時間程度にとどめるのがよいだろう。

メダカ

水温は、メダカは0〜38℃と非常に広い範囲の水温に適応するといわれいるので、ヒーターが無ければ飼育できないわけではないが、水温低下に伴ってメダカの活性は下がり、また暖房の影響で起こる水温の激しい変動は調子を崩す原因ともなる。

冬場、人が活動する日中は暖房と日光と照明の影響で水温が上がり、就寝後、人の活動に合わせて暖房がオフになり、水温が急激に下がってしまうという環境は想定しやすいだろう。

水温を安定させるために、できればヒーターは使用したいもの。夏場は20〜25℃に、冬季は15〜20℃前後に水温を調整しよう。こうすることで、メダカの活性も下がらず、1年中元気に泳ぐメダカの姿を楽しむことが出来る。

メダカの飼育のレイアウトというと、砂利やソイルを底床に敷き、マツモなどの柔らかい水草を植えたり、浮き草を適度に浮かべたものが一般的といえる。しかし、レイアウトには特に制約はないので、飼育者の好みの水槽に仕上げ、楽しんでみよう。

 

メダカ導入の注意点

水槽や飼育器具、飼育環境は、メダカを導入する1週間前には準備しておきたい。水槽内に、水を浄化してくれるバクテリアの発生を持つためである。

水槽に水を張り、フィルターやライトなどを設置し、すべての器具を作動させ、メダカを迎え入れるのに適した環境を整えることを水槽の立ち上げと呼ぶが、そこまで立ち上げるには1週間程度の時間を要することを、あらかじめ想定しておこう。

メダカ

さて、飼育環境を整えることができたら、いよいよメダカの導入である。メダカは丈夫で飼育しやすいとよくいわれるが、それでも水合わせはしっかり行ないたい。

水合わせには、購入してきた袋の水と水槽の水温を合わせる水温合わせと、袋の水質と水槽の水質を合わせる水質合わせがある。

水温合わせは、メダカを購入してきた時に入っている袋のまま水槽に浮かべ、30分ほどの時間をおき、徐々に袋の中の水温を水槽の水温と同じになるようにそのまま待てばよい。

水質合わせは、しっかり水温を合わせてから、袋に穴を開け、やはり30分程度時間を置く。この間にゆっくりと袋の中に水槽の水が混ざり、水質が同じになる。これを十分おこなうことで、水槽にメダカを放った際、水質変化で起こるpH(ペーハー)ショックなどを和らげることができる。

 

日常管理の餌やり

メダカ

メダカの管理は、基本的に給餌と水換えである。自然下では、メダカは主に、たまたま水面に落ちてきた小さな昆虫、イトミミズやミジンコなどの動物性の餌、または藻類をバランスよく食べている。飼育下でも栄養が偏らないように餌を用意したい。

一番便利で日常でも使用しやすいものは、人工飼料だろう。人工飼料には、水面に浮かんだ餌をメダカが徐々に崩していくことが出来るフレークタイプや、メダカが食べやすい大きさになっている顆粒タイプなど、さまざまな仕様がる。どれも保存は利くので、飼育者の利便性を基準に選ぶことができる。

時には嗜好性の高いアカムシやミジンコを与えたいという飼育者におすすめなのが、冷凍飼料や乾燥させた餌である。活餌を川や池などから採集してくるという方法もあるが、採集池の水が汚染されていたり、病原菌を水槽に持ち込んでしまったりすることもある。そのうえ、活餌の保存は難しい。

そこで活用できるのが、アカムシなどを急速冷凍した冷凍飼料や、乾燥ミジンコや乾燥アカムシなどである。保存性にすぐれ、与えやすく便利である。

餌を与える量と回数は飼育尾数や環境によって異なるため一概にはいえないが、1日に2〜3回、2〜3分で食べきる量を成魚の基本にしよう。体の小さいメダカは、一度にたくさんの量を食べることができないのである。

与える量が多すぎて残ってしまった餌を水槽内に放置すると水質悪化につながるので、極力餌の量を減らすようにしたい。また、暗くなると餌を食べなくなるので、消灯30分前には食べ切るように調整しよう。

気を付けてほしいのは、導入直後のメダカには給餌は控えるということ。導入日はそっと様子を見守り、翌日、元気に泳ぎ始めたら少しずつ餌を与え、しっかり食べるようだったら徐々に増やすようにすれば、立ち上げ時の失敗を防ぐことができるだろう。

日常管理の水換えと観察

メダカ

もうひとつの日常管理である水換えも飼育尾数と環境によるので一概にはいえないが、基本は週に1回、全体水量の1/3程度である。夏場は酸欠になりやすく、水も汚れやすくなるので、魚の状態を見ながら換水頻度を増やすと良いだろう。

水換えの方法は水槽の砂利掃除をしながら糞やゴミごと水を吸い出し、1日汲み置きしてカルキを抜いた水か、水質調整剤(カルキ抜き)でカルキを中和した新しい水を少しずつ水槽に入れる。その時、水槽の水温と合った水を用意したい。

規則正しい管理ができ、適切な環境を用意できればメダカを健康に飼育することができるが、体のちいさいメダカはちょっとしたことでも致命傷になってしまうことがある。その兆候を見逃さないように、毎日しっかり観察し、おかしいな、と思ったら直ぐに対処しよう。

メダカがかかりやすい病気にはミズカビ病や白点病、消化不良などがある。病気予防には0.1%濃度の塩水で塩浴させるのが効果的とされる。

そのほかにも、酸素不足などはよく耳にする。もしメダカが水面で口をパクパクさせていたら、それは酸素不足のサイン。飼育尾数や環境は適切か見直し、エアーレーションで酸素を供給するなど対応しよう。