苔の植え付けは、盛夏や極寒の時期を除けば、いつでもできます。素材は購入するだけではなく、自然界から採取することも可能です。手ですくいとれるものはすくい、すくいとれないものは土ごと採取しましょう。そして、紙袋やダンボール箱などに入れて、通気を良くした状態で持ち帰るようにします。ただし、国や都道府県が定めた自然環境保全区域や禁止を定めた区域での採取は厳禁です。
コケを育てる場合、使う用土は慎重に選んでください。発達した根をもっていないとはいえ、コケはその種類によって育った環境がちがいます。もっとも大事なことは、そのコケが自然の中で生息していたときの環境を作ってやることです。
たとえば岩肌に生息するコケであっても、石の表面なのか岩のくぼみにある土の上なのかによって、そのコケに適した環境はまったくちがいます。
用土を選んだらコケを植え付けますが、植え付け方法は三種類あります。
その1つが貼りゴケ法で、コケを用土の上に貼り付けて、しっかりと根付かせます。このとき、表土とコケを完全に密着させるために、コテなどで上から押さえつけます。さらに、コケの表面に軽く目の粗い土をまいて、水を十分に与えて落ち着かせます。
まきゴケ法は、コケの葉などを細かくほぐしてから、用土の上にまき、しっかりと表土に密着させてから散水する方法です。コケが生えそろうまでは、乾燥させないようにまめに水を与え続け、半日陰に置きます。
移植法は、コケのかたまりを土に埋め込んでいく方法です。埋め込んだらコケの表面に軽く目の粗い土をまいて、十分に水をあたえます。