想像する楽しみ

盆栽を想像する楽しみ

盆栽には、「癒やしの力」があるだけでなく、育てるためのさまざまな技術を習得し、想像する楽しみを見いだすことができるという利点もあげられます。

目を摘んだり、枝を剪定したり、針金をかけたり、樹を植え替えるなど、樹の整姿作業には、さまざまな技術と経験が必要です。一年二年と経験を積んでいくことで、さらに技術も上達していきますし、経験によって知り得る手入れのタイミングや、その樹固有の性格などもわかるようになります。その樹に合った樹形を考えたり、その樹形を作っていくことで、創造する楽しみが得られます。この枝をどのようにいかしたらいいのか、この根の曲を生かすことはできないのかなど、つねに育てている樹の事を考え、考えたことを実践し、失敗と成功を繰り返していくのです。

また、盆栽という1つの世界に触れることで、オリジナルの鉢を作ってみたい、石の種類についてもっと知りたい、美しい自然風景を見に行きたいなど、世界がどんどん広がっていきます。盆栽を通して、さまざまな分野への興味がどんどん湧いてくるようになるのです。

もちろん、自分が手がけた樹を鑑賞する喜びもありますし、誰かが手がけた樹を見る楽しみもあります。そして、盆栽を通じて人との出会いも期待できます。このように盆栽には、人との関係を創造する楽しみもあるのです。